安心だから、おいしいからということだけで有機野菜をお薦めしているのではないんです。農薬や化学肥料で過保護に育つのではなく、野菜本来の生命力で育ったおいしさを旬の時季にいただく。と当然、最も栄養がのったものだから体にいい。
しかも地域のものであれば、新鮮で輸送コストも少なく、地球環境にも優しい。さらに農地の環境もよいため、次世代も農業を続けていくことができるでしょう。自分の体をつくるものを考えて食べる、その背景や未来をも理解して食べるという食生活、ライフスタイルの提案をしたいと思い起業しました。そもそも地元で作られた旬の野菜を食べるということは、自然のサイクルに逆らわない本来のライフスタイルであり、本能的なものだといえます。ライフスタイルを見直すことは、健康寿命の拡大や医療費削減にもなっていくでしょう。野菜、いわゆる植物はその場から動くことができないですが、自らが生み出す化学物質で紫外線や害虫といったマイナスの状況から生命を守っています。昨今話題の栄養素、ファイトケミカルがそれで、抗酸化力、免疫力のアップなどで注目され、研究が進んでいます。鮮やかな色や個性的な香りなどで自らをいきいきと輝かせている野菜の力を人間が摂取することで、はつらつとした美しい笑顔の人が増えればいいなと思っています。
=PROFILE=
ザウ代表。2015年秋にオーガニックグロッサリー「サラダーマン」をオープン。有機野菜でつくるコールドプレスジュース、スムージー、サラダなどと量り売りの有機野菜を販売しながら、野菜と健康に関する情報発信を行う。