日本海があって、〝なまはげ〟が棲むという山に囲まれた田舎で育ったので、子育てをするのに都会ではどうやって育てたらいいのか想像がつかなかったんです。それで、夫の仕事環境とパン作りも含めて、札幌近郊で自然豊かないい場所はないかと探した結果がここ長沼町だったんです。水もよくて、パン作りの材料もいろいろあるし、小高い丘の上からの四季折々の風景が素晴らしくて。それから何より、人がよかったんです。芸術家の方が多く、文化的な環境があったり、いろいろな魅力ある作物を作っている方がいたり。そうした人との出会いもあって、この地に暮らすことになりました。息子は好奇心旺盛で、裏山で遊んだり、木登りをしたり。一人でどこかへ行ってしまって、心配することもありますが、とにかく元気で男の子らしくていいと思っています。私が気をつけていることは、たとえば、丹精込めて作ったパンをちょっと乱暴に扱ったりとか、私自身が何か行動する時に、子どもが同じことをしたら悲しいなと思うことはしないようにしています。また、つい感情に任せて叱ってしまった時などには謝るようにしています。正直なやりとりをしていると、息子の方がうんいいよと、こちらの気持ちを分かってくれますね。あとはやはり口から入ったもので人はつくられるので、食を大切にしています。