育児や家事をやっていると、お母さんって大変なんだなと今更ながらに思います。息子の具合が悪くなり、すごく心配して思わず泣いてしまった時には、自分の母親にも随分こういう気持ちにさせていたんだろうなと思ったり。現役時代の私は、常に自分が一番という生活でしたから。なので、結婚して、コーチに就任する前に息子が生まれて、自分より大切な存在ができたことは、今こうして私が選手の指導をする上でとてもプラスになっていると思います。選手一人一人が今どんな状態で、何を必要としているのかを思いやり、よい方向へと導いていくのがコーチの仕事ですから。今までは男性だけだった日本ジャンプ界でコーチをすることは自分にしかできない仕事であり、まだまだ答えも出ていなくてもっと頑張りたいと強く思っています。でも一方で、今一番言うことを聞かない、甘えたい盛りの息子に寂しい思いをさせることも多く、この生活でいいのかなと正直気持ちが揺れることもあります。そんな思いを、同居している両親とマネージメントもサポートしてくれている夫がしっかりと受け止めてくれています。もちろん、息子の存在も大きな支えになっています。こうした家族の思いに守られながら、周りの方々の理解にも本当に感謝の気持ちを持って、子育てとコーチ業を両立させてもらっています。