特集 Meet your “EZO” standard. EZOのいい“もの”。
伊藤 千織さん #03

プロダクトデザイナー

伊藤 千織さん

伊藤千織さんのものづくりは、まず「すべての要素を盛り込む」ことから始まる。そこから要素を削り、無駄のないデザインを仕上げていく。

モダンなデザインで、暮らしと心を潤す家具

 伊藤千織さんのものづくりは、まず「すべての要素を盛り込む」ことから始まる。そこから要素を削り、無駄のないデザインを仕上げていく。日本有数の家具産地・旭川市の家具メーカー「匠工芸」が販売する「KOO CHEST(クーチェスト)」も同様の工程から生まれた作品だ。もともとは匠工芸の人気商品「GUILD(ギルド)」の後継モデルとして依頼され、初期段階では組木のようなデザインも考えたというが、最終的には和洋室どちらにも合うシンプルモダンな家具を完成させた。伊藤さんは、「つくり手にはそれぞれのスケール感があり、自分は両手を広げたくらいの家具が丁度よい」と分析する。デザイン時にはCADソフトのみに頼るのではなく、手書きを多用。数値化できない曲線や構造は実寸大の模型を作ることで、表情豊かな作品を生み出し続けている。材料にこだわりはないが、「北海道という土地柄、自然と木が多くなります。何より有史以前からある素材の木を、実験的なデザインや最新の加工技術で新しいかたちに創造していくギャップに惹かれます」と話す。だからこそ木の素朴さを主張するのではなく、モダンに使いたい。その思いは、旭川市のササキ工芸と進行中の木工ブランド「premics(プレミクス)」シリーズにも強く表れている。最近はユポという合成紙を使った作品にも力を入れているが、こちらは「東日本大震災がきっかけ」。それまで装飾品には実用性を感じず手掛けてこなかった伊藤さんだが、「無機質な部屋で過ごすうちに寂しい気持ちになり、装飾は心を温かくしてくれるものだと学んだ」と振り返る。ユポ で作った「ペーパーリース」は、いわば“心の家具”であり、今では全国のショップで販売される人気作になっている。見た目の華やかさが重視されがちなデザインの世界において、「実際に使えるものでなければ意味がない」と言う伊藤さんの家具。それは、私たちの暮らしだけでなく、心も潤してくれる魅力に溢れている。

EZO裏バナシ

  • 末広がりに立つユニークな形状が特徴的な「KOO CHEST」。木製家具なのに軽やかに見え、3色の木目のグラデーションもオブジェのような存在感を醸し出している。サイズは3種類あり、価格はSサイズ55,000円、Mサイズ75,000円、Lサイズ90,000円。

  • 1枚の紙を折ってつくる、雪を彷彿とさせる真っ白なペーパーリース。月桂樹や山ぶどうなど、さまざまなデザインがあり、写真はひいらぎをモチーフとしたMサイズのリース2,800円。

  • 写真手前に写るのは伊藤さんの代表作の一つ「そら豆スツール」。「ミニマムな材料で安全性や強度が求められるイスは、いわば高度なパズル。だからこそデザイナーは挑戦したがるし、私も条件が難しいと燃えるタイプ」と笑う。

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