ENJOY  EZO Trip.私の故郷、旅しませんか。
高尾 僚将さん #01

シェフ

高尾 僚将さん

望郷と夢の先を探る旭川市&東川、上川町の旅ふれあう、語り合う。

休日のカントリーロード。
北海道第2の都市とも言われる旭川市。
この地で生まれ育った高尾さんは、
シェフとして世界を知ったことであらためて故郷の良さを再認識したという。
「いつか故郷に店を構えたい」。
そう語る高尾さんと、地元に暮らす人々、そして土地の魅力にふれる旅に出た。
美しい景色と豊かな食。それだけで故郷は最高。

 オーナーシェフという仕事柄、なかなか休みを取れず、さらに昨年1年間を中国・上海で過ごしたため、実に2年ぶりとなる今回のバイクでの帰省。愛車のハーレーダビッドソンにまたがり、まず向かった先は「帰ってくると必ず訪れる」という旭川空港のそばにある場所だった。本人いわく、『秘密の場所』と呼ぶその場所は、高校時代に親友とバイクであちこちを回っていた時に偶然見つけた草原。高尾さんは悩み事があるといつもここで物思いにふけると話す。しかも大地と一体となるがごとく、上半身裸で寝転がるとか。「高校を卒業してフランスに行くか迷った時も、『oggi』の開店や一時休業を決める際も大事な決断はここでしてきました。この場所に来ると、なぜか頭の中がリセットされて考えがまとまるんです」。街中から少し足を伸ばすと、すぐに美しい景色と出会える。それこそが北海道の地方都市の魅力であり、高尾さんが望郷の念に駆られる理由にもなっている。
 続いて向かったのは、隣町の東川町。そこにある『宮崎豆腐店』は、ご両親がよく利用し、高尾さん自身も一度訪れてみたかったという創業86年の老舗だ。東川町は北海道で唯一上下水道がなく、町内全戸が地下水を掘っている。同店も例に漏れず、豆腐作りに使われているのは大雪山の伏流水。清らかな水と道産大豆100%で手作りされる豆腐は濃厚で、高尾さんもその味に太鼓判を押す。何より昔ながらの雰囲気に感動し、「オシャレな店より、実はこういう味のある店の方が好きなんですよ」と漏らす高尾さん。ふと訪れた先での新たな発見も旅の醍醐味の一つであり、気さくな店主とのひとときは貴重な休日をさらに有意義なものにしてくれたようだ。
 フランス、イタリア、そして上海。高尾さんには海外に出る度に強くなる想いがある。それは「いつか故郷に店を構えたい」という夢。ヨーロッパでは田舎町にも美食を求めて多くの人が訪れる。「旭川近郊には旭岳や大雪山に囲まれた素晴らしい景色があり、水も食材も空気もおいしい。それだけ揃っている地域は世界でも珍しいんですよ」と絶賛する高尾さん。理想は美しい景色と地産地消の食事を楽しめ、海外からも顧客が訪れる少人数制のレストランだが、課題はそこに漂う“空気感”だと言う。そこでもう一度訪れたかったのが『cafe good life』だった。「この雰囲気がなかなか出せない」と一目を置く同店は、店主・渋谷さんの人柄からか、どこかアットホームで、常に自然体で居られる優しい、穏やかな空気に包まれている。あらためて「あこがれる」と惚れ込んでいた高尾さん。その胸の奥には何かヒントをつかんでいたに違いない。
 そして旅の終わりは、少し足を伸ばして上川町へ。『フラテッロ・ディ・ミクニ上川』は、高尾さんの仲間たちがいるレストランだ。支配人の安住さんは札幌にあったイタリアンレストラン『ラ・コリネッタ』時代の朋友。「昔も今も相変わらずワイルドでダンディ」と笑う安住さんに「そういうのいらない!」と照れる高尾さんのやりとりからは、札幌の激戦区を戦い抜いてきた仲間ならではの深い絆を感じる。「若い時は田舎から早く出たかったけど、今はやっぱり落ち着きますね」。そう笑う高尾さんの夢の実現がいつになるのかはまだ分からない。だが、今回の旅で、旭川もしくは旭川近郊に新たな名所が誕生する日も、そう遠くはなくなったのかもしれない。

EZO裏バナシ

  • 東川町の宮崎豆腐店では取材・撮影をその場で交渉。快諾してくれたうえ、商品の木綿豆腐や厚揚げを惜しげもなく試食させてくれたお母さんに感激し、高尾さんは「自分のSNSでも紹介していい?」と写真をパチリ。

  • 40代まではサラリーマンだったという「cafe good life」の渋谷さんに、「将来的には自分も枠組みにとらわれずに生きたい」とあこがれる高尾さん。話すうちに渋谷さんと意気投合し、「いつか一緒にコラボしてみたいですね」と意欲を覗かせていた。

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